プレイン・イングリッシュ 10ルール
10 Rules for Plain English

01. Prefer the short word to the long.
長い単語より短い単語を

同じ意味でもいろいろな単語があるものです。日本の学習者は、どういうわけか、同じ意味なら長い単語や難しい単語を好みますが、これからは努めて短い普通の単語を使うよう、心がけてください。
英語は長い単語より短い単語を使うほうが、文章がきびきびとしてリズムが出ますし、表現が生き生きとしてきます。
たとえば、endeavorと言うなら、tryで事足ります。indicateでも結構ですが、showやtellで十分です。facilitateと言うとカッコよく感じるかもしれませんが、easeやhelpで十分です。

02. Prefer the familiar word to the fancy.
カッコいい凝った単語より、慣れ親しんだ単語を

一般的に、長い単語はカッコよく凝った単語で、短い単語は慣れ親しんだものが多いものです。このため、10ヶ条の1と2はある意味では重なります。
たとえば、deteriorateはworsenを気取った言い方にしたものです。deteriorateが間違いというわけではありませんが、わかりやすい英語、Plain Englishを話すには、すんなりと耳や目に飛び込んでくる単語、worsenを使うべきです。まして、日本人には、英語の発音においてもハンディがあるわけですから。要するにカッコいい言い回しをする必要はない、ということです。

03. Prefer the specific word to the abstract.
抽象的な単語より、具体的なものを

日本では、はっきり物事を言わないのが美徳とされてきました。しかし英語では、それを「美徳」と解釈してくれるのは日本に相当詳しい人だけです。日本人的に物事を曖昧に言うと、なかなか自分の言いたいことが伝わらないのがふつうです。曖昧でなく、はっきりと具体的に言うことを心がけましょう。
日本語で多用される「まあまあ」をそのまま英語にしようと思うと、かなり大変です。英語ではできるだけ明確に言うのが当たり前なので、そのままso-soなどと訳しても多くの場合に意味不明になるからです。
日本人学習者は「素晴らしい」のつもりでremarkableを使いますが、これも問題です。He is a remarkable person.と言っても、「何が素晴らしいの?」と思われるだけです。これからはもっと具体的に、たとえば語学力があるならHe is a language genius. He speaks five languages.などと言うように心がけてください。

04. Use no more words than necessary to make your meaning clear.
よけいな単語は使わない

必要のない単語を省きます。次の例を見てください。

end result / lonely hermit / exact counterpart / original founder / future plan / organic life end product / mutual cooperation / complete monopoly / general public / true facts / personal friend

皆さんには違和感のない表現が多いかもかもしれませんが、ここにある表現はすべて不要な形容詞を含み、redundantです。generalでないpublicはありません。cooperationというのは、そもそもmutualです。名詞自体にすでに修飾語となっている形容詞の意味が含まれています。
これはすべてネイティブスピーカーの書いたものです。ネイティブだからPlain Englishが書けると思ったら大間違いです。
金融経済の分野で日本人が好んで用いるpotential riskも英語としては不自然です。おそらく日本語の「潜在的リスク」を直訳したのでしょうが、riskはそもそもthe possibility of something bad happening at some time in the future(将来何か悪いことが起こる可能性)という意味で、risk自体にpotentialの意味合いはすでに入っています。ひどいものになると、materialized risk(顕在化したリスク)というのまであります。riskが顕在化したらそれはriskではありません。論理的に考えればわかるはずですが、日本語に引っ張られるとこのような奇妙な表現になってしまいます。

05. Use the active voice whenever possible.
できるだけ能動態を使う

日本語では「~される」という言い方がいかに多いかあまり意識していないでしょうが、実際に日本語を英語に訳そうとするときにそのことがよく問題となります。
英語の最も基本的な構文はS+V+Oです。Somebody does something.が最も基本的でインパクトがあります。行為を起こすものがあり、次にその行為が何であるかが示され、最後にその行為を受けるものがきます。これが英語の自然な力関係なのです。「英文では主語に重点がある」というルールがあるので、行為を受けるものに重点があることを示す場合に受け身を活用しているのなら問題はありませんが、日本人学習者の場合は、「なるべく能動態を使う」と心がけるくらいでちょうど良いと思います。
日本人はIt is said that ...といった受動態を使いたがります。たしかに教科書に出てくる表現ですが、People say that ...としたほうが、文が生き生きします。むしろ省いたほうがいい場合もよくあります。
be動詞を含む文もなるべく使わないほうがいいでしょう。be動詞は動詞の中でも語のもつインパクトが一番弱く、文のliveliness(生き生きした感じ)を失わせます。たとえば、「渋谷で火事があった」はThere was a fire in Shibuya.ではなく、A fire broke out in Shibuya.と言ってください。
受動態は物事をあまりはっきり言いたくないときに多用される消極的な表現です。アメリカの政治家も、はっきり言いたくないときは受け身をよく使います。ウォーターゲート事件の証言でも多用されました。

06. Use verbs. Put verbs in action.
動詞を生かす

アメリカ人でも、動詞1語で済むのにわざわざ動詞+名詞の組み合わせを使う人がたくさんいます。Plain Englishを推進している側は、そういう人のことをthe noun plague(名詞病)と呼んでいます。
たとえば、英米人の中にも好んで使う人が多いdetermined the truth of .~「~の信憑性を決める」という句はverifyという動詞1語で事足ります。日本語学習者が好むtake into considerationもconsider1語で十分です。
なお、このような動詞の使い方を知りたければ、英語圏の広告を見ると勉強になります。広告文ではインパクトが大事だからです。

07. When possible, express even a negative in positive form.
できるだけ否定形を避ける

英語でも遠回しな表現を使いたがる日本人が多いのですが、英語ではなるべく簡潔な肯定文を使ってください。たとえば、I don't like him.と言うよりも、I hate him.のほうがインパクトがあります。not patientではなくimpatient、did not listen toよりはignoredを使ったほうがインパクトがあります。I don't like him.が適切なのは、あえて遠回しにしたいときだけです。
たとえ否定の内容であっても、可能なかぎり肯定文の形で表現するように心がけてください。日本人の好きな二重否定は論外です。

08. Put one piece of information in one sentence.
1つの文には1つの情報を

日本人の英語は関係代名詞などの難しい構文をたくさん使って、いろいろなことを一度に言ってしまおうという傾向があります。これでは文をわかりにくくしているだけです。
英語を話すとき、関係代名詞は使わないでください。そう言うと驚く人が多いでしょうが、1つの文には情報は1つだけに絞ったほうがいいのです。実例を見ましょう。

Tom is a good-looking eye doctor.
「トムはカッコイイ眼科の先生です」

プロの校閲者でもこのまま通してしまう英文ですが、英語母語話者はこうは言いませんこの文には修飾語が2つあります。good-lookingとeyeです。eyeは「眼科」の医者であるという事実を述べるための修飾語です。このように事実を定義する修飾部分を、definingと言います。それに対し、good-lookingは話者の主観です。このように主観による修飾部分をcommentingと言います。
1つの文にdefiningとcommentingを両方入れてはいけません。情報はいつも事実とコメントに分けなければいけないのです。Plain Englishではこう言います。

Tom is an eye doctor. He is good-looking.

日本のニュースはコメントと事実が入りまじっています。たとえば、現場の記者がいきなり「実に痛ましい事件が起こりました!」と言ったりしますが、アメリカではありえません。事実のみを明確に伝えて、それをどう考えるかは受け取るほうにまかせるというのがジャーナリズムの一貫した姿勢です。

09. Put outline first and then details or specifics.
まず概論を述べてから、詳細に入る

英語の文章では、最初の文で何の話かわかるように書かれています。最初の文は全体のoutline(ジャーナリズムではlead)を述べると決まっているからです。
日本語では最初から説明が来ることが多いのですが、英語では事実や主張を最初に述べるのがルールです。結論が先、説明はあとです。最初にoutlineがあれば、これから話されることがわかるために、説明の理解が促されます。日本語では状況説明をしてから結論を言いますが、英語では「だからこうです」の結論部分を先にもってきます。
paragraph構成も同様です。日本語では段落の最後にまとめが来ますが、英語ではparagraphの最初にまとめの一文を置きます(topic sentenceと言います)。具体的な数字などはあとに続きます。

10. State cause and effect.
原因・結果をはっきり述べる

英語では「原因と結果」「理由と主張」の両方を述べますが、日本語では必ずしもそうではありません。日本語では原因だけあるいは理由だけ述べても、聞き手が先回して結果や主張を察してくれるからです。
日本語では状況説明だけで言いたいことが伝わりますが、そのまま英語にしても伝わるとは限りません。誤解のもとです。

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